Home / BL / 同じ日の涙、同じ空の下で / 第10話 4月9日 初めての経験、そして朝の涙

Share

第10話 4月9日 初めての経験、そして朝の涙

Author: ちばぢぃ
last update Last Updated: 2025-12-05 20:00:32

まだ外は薄暗い。

俺は急に目が覚めた。

下半身が妙にじんわりと温かくて、気持ち悪くて、でもどこか気持ちいい。

パジャマの股間が、びしょびしょに濡れていた。

最初は、おねしょかと思った。

でも、すぐに違うとわかった。

白くて、少し粘り気のある液体。

保健体育の授業で見た、あの図が頭に浮かんだ。

精通。

初めての〇精。

夢の中で、颯音とキスしていた。

颯音が俺の首に腕を回して、耳元で「蓮……」って囁いて、唇が重なって……

そこで、俺は夢の中で果ててしまったらしい。

俺はパニックになった。

こんなこと、颯音に知られたくない。

でも、同じ布団で寝てる。

動けば絶対に気づかれる。

震える手でパジャマを脱ごうとした瞬間、颯音が寝返りを打った。

颯音「……蓮……?」

寝ぼけた声。

俺は凍りついた。

颯音「……あれ……蓮、泣いてる?」

蓮「……違う」

声が震えて、涙が止まらなくなった。

恥ずかしくて、怖くて、でもどこか嬉しくて。

颯音がゆっくり体を起こして、俺の顔を見て、すぐに股間の濡れに気づいた。

颯音「……蓮」

颯音の声が、すごく優しくて、震えていた。

颯音「初めて……?」

蓮「……うん」

颯音が俺をぎゅっと抱きしめた。

濡れたままのパジャマごと、強く強く。

颯音「……よかった」

蓮「え……?」

颯音「蓮が大人になったんだねって……すごく嬉しい」

颯音の声も泣いていた。

颯音「俺、まだなんだ。だから……蓮が先に行くの、ちょっと悔しいけど……でも、すごく嬉しい」

俺は颯音の胸に顔を埋めて、嗚咽を漏らした。

蓮「恥ずかしい……こんなの、颯音に見られたくなかった……」

颯音「なんで? 俺、蓮のこと全部見たいのに」

颯音が俺の濡れたパジャマをそっと脱がせて、ティッシュで丁寧に拭いてくれた。

颯音「痛くなかった?」

蓮「少し……びっくりしただけ」

颯音「夢の中で……俺と?」

蓮「……うん」

颯音が顔を真っ赤にして、それからすごく嬉しそうに笑った。

颯音「俺のせいで……出ちゃったんだ」

蓮「やめろよ……」

颯音が俺の新しいパジャマを持ってきて、着せてくれた。

その間も、ずっとキスを繰り返して。

颯音「蓮……大好き」

颯音が俺の首筋に、頬に、唇に、何度も何度もキスを落とす。

颯音「俺も早く……蓮と同じになりたい」

蓮「颯音も……なるよ。絶対」

颯音「そのときは……蓮に全部見せてあげる」

蓮「……俺も」

颯音「約束」

蓮「約束」

朝ごはんの前、おばあちゃんにバレないようにこっそりシーツを洗濯カゴに入れた。

颯音が手伝ってくれて、二人で洗濯機を回した。

颯音「……蓮」

蓮「ん?」

颯音「今日から、俺たち本当に大人への階段上り始めたね」

蓮「うん」

学校に行くとき、颯音はずっと俺の手を握りしめていた。

颯音「蓮が先に大人になったから……今日は俺が甘えていい?」

蓮「いつでも甘えていいよ」

教室に入ると、颯音はいつもよりくっついてきた。

机の下で指を絡めて、小指で「大好き」と何度も書いてくる。

休み時間、トイレの個室で二人きりになったとき、颯音が急に言った。

颯音「……蓮、ちょっと見せて」

蓮「は!?」

颯音「だめ? 朝の続き……」

蓮「学校でやめてくれって……」

颯音が悪戯っぽく笑って、俺の頬にキスしてきた。

颯音「冗談だよ。でも……帰ったら、ゆっくり見せて?」

蓮「……うん」

放課後、家に帰るなり、颯音が俺を部屋に引っ張って行った。

颯音「蓮……脱いで」

蓮「……恥ずかしい」

颯音「俺も見せるから」

颯音が先にパジャマのズボンを下ろした。

まだ朝と同じように、少しだけ膨らんでいた。

颯音「俺も……朝、蓮のこと考えて……ちょっとだけ出ちゃった」

蓮「……颯音」

颯音「一緒に大人になろうって、約束したもん」

俺も震える手でズボンを下ろした。

颯音が目を輝かせて、そっと触れてきた。

颯音「……蓮の、あったかい」

蓮「……颯音のも」

颯音「これから……どんどん大きくなっていくんだね」

蓮「うん……二人で」

颯音「俺、蓮の全部が好き」

颯音が俺のそこに、そっと唇を寄せた。

キスみたいな、優しい触れ方。

颯音「大好きだよ……ここも」

蓮「……俺も」

颯音「いつか……ここで、蓮と一つになりたい」

蓮「うん……桜の木の下で」

颯音「約束」

夜、お風呂で、颯音がまた言った。

颯音「今日、蓮が大人になった日……記念日にしよう」

蓮「うん」

颯音「毎年4月9日は……『蓮が大人になった日』」

蓮「颯音の日も絶対作る」

颯音「約束」

布団に入ると、颯音が俺の胸に顔を埋めた。

颯音「蓮……今日、ほんとに嬉しかった」

蓮「俺も」

颯音「俺たちの体……これから、もっともっと変わっていく」

蓮「うん」

颯音「どんな蓮になっても、ずっと大好き」

蓮「どんな颯音でも、ずっと大好き」

颯音「おやすみ……俺の大人な恋人」

蓮「おやすみ……俺の可愛い恋人」

初めての夢精。

初めての朝の涙。

初めての、恥ずかしくて、でも世界で一番幸せな朝。

俺たちの365日。

今日で、355日残ってる。

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 同じ日の涙、同じ空の下で    第39話 6月20日 放課後の教室 「裸のまま、机の上で、三人で全部見せ合って、溶け合った放課後」

    プール授業が終わって、教室に残ったのは俺、颯音、真哉、そして興奮で顔を赤くした男子12人。 誰も帰る気なんてない。 先生も職員室に帰った後で、教室は完全に俺たちだけの密室になった。俺と颯音は、 濡れた水着を完全に脱ぎ捨てて、 机の上に腰掛けたまま、 足をM字に広げて、 すっぽんぽんの状態で、 大事なところを丸出しにした。俺のち〇こは、 まだ完全に皮に覆われた真性包茎だけど、 手で引っ張ればピンクの亀頭がぷっくり全部出て、 今は興奮でギンギンに張り詰めて、 透明な先走りが糸を引いて、 机の上にぽたぽた垂れていた。颯音も同じ。 ツルツルの根元が、 俺の視線だけでびくびく脈打って、 皮を半分めくると、 濡れた亀頭が光って、 先端の穴から透明な汁がとろりと溢れていた。真哉は俺たちの横に立ち、 自分の水着を床に投げ捨てて、 小さい真性包茎を晒した。 まだ完全に皮に包まれたままで、 先端はちょっとだけ濡れているけど、 透明な雫すら出ていない。 でも、真哉の目は完全に俺たちに釘付けだった。真哉「……お前ら……マジでエロすぎ…… 俺、まだこんな小さいのに……」真哉が震える手で、 俺のち〇こを握った。真哉「……うわ……熱っ! 皮、めっちゃ柔らかい……」指で皮をゆっくり引っ張ると、 ぱくっと亀頭が全部出て、 俺は「あぁっ……!」と声を漏らした。真哉の指が、 剥けた亀頭の裏をこすり、 カリ首をなぞり、 先端の穴を軽く押す。蓮「……真哉……やばい…… 出ちゃう……!」颯音も、 他の男子に囲まれて、 同じように触られていた。翔太「颯音のも、めっちゃ硬く

  • 同じ日の涙、同じ空の下で   第38話 6月20日 プール授業終了後 「教室で裸にされて、触られ比べられた午後」

    プールの授業が終わって、 男子は教室に戻って着替え。 濡れた水着のせいで、みんなの体はひんやりしていたけど、 俺と颯音の体はまだ熱かった。俺たちは隅の席で、 濡れた水着を脱いで、 すっぽんぽんの状態でタオルで体を拭いていた。まだ皮を被ったままの大事なところは、 水で冷えたのに、 さっきの出来事で敏感になっていて、 半勃ちの状態でぴくぴく震えている。颯音が小声で言った。颯音「……蓮……みんな……こっち見てる……」確かに、 クラスメイトの視線が、 さっきよりもっと熱く、 俺たちに集中していた。拓也が最初に近づいてきた。拓也「なあ、さっきの……ほんとに剥けるんだろ?」他の男子もぞろぞろと集まってきて、 俺たちは逃げ場を失った。颯音が震える声で答えた。颯音「……う、うん……手で引っ張れば……」すぐに、 何人かの手が伸びてきた。「え、マジで触っていい?」 「ちょっとだけ!」 「俺も!」俺たちは抵抗できずに、 そのまますっぽんぽんのまま、 円の中心に立たされた。まず拓也が、 俺の大事なところをそっと握った。拓也「……うわ、あったけえ……」指で皮を引っ張ると、 ぱくっと先端が顔を出して、 すぐにギンギンに硬くなった。拓也「すげえ! ほんとに剥ける!」次は颯音。 翔太が颯音の大事なところを握って、 同じように皮を引っ張った。颯音「んっ……!」 颯音の声が漏れて、 颯音のもすぐにギンギン。男子たち「うわ、二人ともめっちゃ硬くなってる!」そして、 真哉も輪の中に入

  • 同じ日の涙、同じ空の下で   第37話 6月20日 プール授業の着替え室 「見られてしまった、俺たちの…」

    朝から教室はざわついていた。 6年生になって初めてのプール授業。 男子は教室で水着に着替える。俺と颯音は隅の席でソワソワしながら制服を脱いだ。理由はシンプルだった。 俺たちの大事なところは、 まだ完全に皮に覆われた真性包茎のまま。 でも、手で引っ張れば先端まで剥けるようになっていて、 最近は毎日触り合っているせいで、 少しずつ大きくなって、 透明な雫は毎回出るようになっていた。毛は生え始めていたけど、 旅行のときに全部抜いてしまって、 今はツルツルのまま。 でも水着に隠れるので、 誰にも気づかれていない。他の男子は、 まだ誰も毛が生えておらず、 皮も完全に被ったまま、 透明な雫すら出ない子がほとんどだった。俺たちは無意識に、 他の男子の股間をチラチラ見てしまう。颯音が小声で囁いた。颯音「……蓮……みんな、まだ……赤ちゃん……」蓮「……うん……」その瞬間、 隣で着替えていた真哉(しんや)が、 俺たちの視線に気づいた。真哉はサッカー部のエース、 色白で整った顔立ち、 颯音と同じくらいの身長。 ズボンを下ろした瞬間、 俺たちは息を呑んだ。真哉も、 まだ完全に皮に被ったままの、 小さくて可愛らしい真性包茎だった。 しかも、 まだ精通すらしていないらしく、 先端から透明な雫すら出ていない。真哉は俺たちの視線に気づいて、 ニヤリと笑った。真哉「転校生の蓮と颯音…… ち〇こ、めっちゃギンギンじゃん!」教室が一瞬、静まり返った。俺と颯音は、 顔から火が出るほど真っ赤になって、 反射的に水着の上から勃起した股

  • 同じ日の涙、同じ空の下で   第36話 6月15日 初めての「二人で作ったルール」

    朝6時30分。 俺は颯音の腕の中で目を覚ました。 颯音はまだ寝ていて、長い睫毛がぴくぴく動いている。 頬に少し汗をかいて、唇が半開きで、 俺の胸に顔を埋めたまま、小さな寝息を立てていた。俺はそっと颯音の髪を撫でて、 耳元で囁いた。蓮「……颯音、朝だよ」颯音が「ん……」と甘い声を出して、 俺の首に腕を回して、 朝のキスをしてきた。颯音「……蓮……もうちょっと……」蓮「……ダメだよ。ルール1、朝6時半起床だろ」颯音が目をぱちくりさせて、 急に起き上がった。颯音「……あ、そうだった!」昨日、俺たちで作った「蓮と颯音の家ルール」。 今日から正式に施行。颯音がノートを持ってきて、 二人で読み上げた。颯音「1番、朝は6時半起床。寝坊したらキス3回罰ゲーム」蓮「……今、寝坊したな」颯音が真っ赤になって、 俺の唇にちゅっちゅっちゅっと3回キスしてきた。颯音「……罰ゲーム、完了!」蓮「……甘いな」朝ごはんはルール2「ご飯は必ず二人で作る」に則って、 二人で味噌汁とご飯と目玉焼きを作った。 颯音が味噌汁の味見をして、 「ちょっと薄い?」って聞いて、 俺が「もう少し味噌足そう」って言って、 一緒に味を調整した。テーブルに座って、 向かい合って食べながら、 颯音が急に言った。颯音「……蓮」蓮「……ん?」颯音「……俺たち……ほんとに、二人で生きてるんだね」蓮「……うん」颯音「……なんか……夢みたい」蓮「……俺も」朝9時。 ルール4「お風呂は必ず一緒に入る」に基づいて、 朝風呂に入った。

  • 同じ日の涙、同じ空の下で   第35話 6月1日 初めての「二人だけの誕生日」 颯音12歳

    朝6時15分。 カーテン越しの光が、いつもより少し強い。 6月になった。 おばあちゃんが逝ってから、ちょうど半月が経った。今日は颯音の12歳の誕生日。 おばあちゃんがいたら、きっと朝からケーキを焼いて、 「颯音、おめでとう!」って抱きしめてくれたはずだ。でも今は、 俺と颯音、二人だけ。俺は昨日の夜、こっそり起きて、 冷蔵庫に隠しておいたホールケーキを準備していた。 スーパーで買った小さなショートケーキに、 手書きで「颯音 12歳 おめでとう」とチョコペンで書いた。颯音が目を覚まして、 ぼんやりと俺を見た。颯音「……蓮……おはよう……」蓮「……おはよう、颯音」俺はケーキを隠したまま、 颯音の頬にキスした。颯音「……ん? なんか、いい匂い……」蓮「……ちょっと待ってて」俺は台所に走って、 ケーキにロウソクを12本立てて、 火を点けた。リビングに戻ると、 颯音はまだ布団の中で、 目を丸くして俺を見ていた。蓮。蓮「……颯音、12歳、おめでとう」颯音「……蓮……!」颯音の目から、ぽろぽろと涙がこぼれた。颯音「……ばあちゃんがいない初めての誕生日なのに…… 蓮が……覚えててくれた……」蓮「……当たり前だろ。 颯音の誕生日は、俺の記念日でもあるもん」颯音が立ち上がって、 俺に抱きついてきた。颯音「……蓮……ありがとう…… 大好き……」ロウソク、消そう」二人で息を合わせて、 ロウソクの火を吹き消した。颯音「……願い事……したよ」蓮「……何?」颯音「……蓮と、ず

  • 同じ日の涙、同じ空の下で   第34話 5月25日 おばあちゃんが逝ってから一週間 「二人で生き始めた、初めての土曜日」

    朝6時20分。 おばあちゃんが逝ってから、ちょうど一週間が経った。 祭壇には毎日新しい花を供え、 線香の煙が絶えることはない。 骨壺はまだリビングの真ん中に置いてあって、 俺たちは毎朝毎晩、 「おはよう」「おやすみ」と声をかけるのが日課になった。今日は土曜日。 学校は休み。 でも、俺たちは朝から起きていた。 理由はシンプルだ。 「今日から、ちゃんと生活を立て直す」と決めたから。7時。 颯音が台所に立って、 おばあちゃんがいつも使っていたエプロンを着けた。 少し大きすぎて、袖を折り返している。颯音「……蓮、味噌汁……味、合うかな」蓮「……うん、ちょうどいい」俺はご飯を炊いて、 目玉焼きを焼いた。 おばあちゃんが教えてくれた通りに、 黄身は半熟で、白身はふちがカリッと。二人でテーブルに座って、 初めて「おばあちゃんのいない朝ごはん」を食べた。 味はちゃんとしていた。 でも、味噌汁をすくう手が震えて、 涙がぽろっと落ちた。颯音「……ばあちゃんの味に……まだ届かない」蓮「……でも、ばあちゃんが見てたら…… 『上出来だよ』って言ってくれると思う」颯音が小さく頷いて、 涙を拭った。9時。 二人で家の中を大掃除した。 おばあちゃんの部屋の押入れを開けると、 俺たちの小さい頃の服や、 おばあちゃんが編んでくれたセーターが、 丁寧に畳んで入っていた。颯音が一枚のセーターを抱きしめて、 ぽろぽろ泣いた。颯音「……これ……俺が5歳のときに編んでくれたやつ…… まだ着られる……」蓮「……俺のもある……」俺たちはそのセーターを着て、 おばあちゃんの

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status